
こんな方におすすめ
- 毎日終電近くまで真面目に頑張っている
- 目標と計画が結果に結びついていない
- 重要なプロジェクトを複数同時進行している
動機
ソフトバンク孫正義社長は言わずもがな日本を代表する経営者で、次々と新規事業に参入しています。PDCAサイクルは良く耳にすると思いますし、PDCAがタイトルに入る書籍も多数出版されています。
しかし、孫社長の「部下」が実践するPDCAは単純なPlan Do Check Actionではなく、プロジェクトマネージャー視点の他には無い特徴があるのだろうと思い本を手に取りました。
対象
膨大な業務量に追われていて、毎日終電近くまで真面目に頑張っている方、目標と計画を立てるが、イマイチ期限までに結果に結びついていない方には、この「高速PDCA」という仕組みによって改善が期待できます。
また、経験を積んで重要なプロジェクトを複数同時進行している方も参考になると思います。
根拠
三木雄信さんはソフトバンク孫正義社長のもとで入社2年で社長秘書に就任、Yahoo!BBの立ち上げ、日本債権信用銀行の買収などのプロジェクトマネージャーとして活躍されました。
その後33歳で起業。ソフトバンク時代に培った高速PDCAを駆使して、多数のプロジェクトを同時に手掛けながらも社員とともにほぼ毎日残業ゼロを実現されています。
高い生産性と圧倒的スピードで仕事をこなして、ビジネスとプライベートの両方を充実させることに成功されています。
概要
目次
- 序章 なぜ高速PDCAなら超スピードで仕事が片づくのか?
- 第1章 高速PDCAを動かす8ステップ
- 第2章 月間、週間ではなく「毎日」の目標を設定するー高速PDCAの「P」
- 第3章 一つひとつではなく、「同時にすべての手段」を試すー高速PDCAの「D」
- 第4章 結果は「数字」で厳密に検証するー高速PDCAの「C」
- 第5章 「いちばんいい方法」だけを磨き上げるー高速PDCAの「A」
- 第6章 「人の力」を借りて、もっと速くなる
- おわりに ソフトバンクの成長が止まらない理由
まず、序章からソフトバンク三原則について紹介します。
1.思いついた計画は可能な限りすべて同時に実行する
P27引用
2.1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する
3.目標も結果も、数字で管理する
一見、プロジェクトを進める上で基礎的な内容であると思いますが、この3つをPDCAに組み込み、「高速PDCA」として着実に積み重ねてきたことがソフトバンク躍進の最大の秘密であると語られています。
普通のPDCAサイクルは、Plan業務計画の立案、Do計画に沿って業務を行う、Check計画どおりか評価する Action計画に沿っていない部分を改善する を順次行い、最後のActionを次のPDCAサイクルにつなげて継続的に業務改善(スパイラルアップ)を図るというものだと思います。
ソフトバンクではこの基本的なサイクルに工夫を加えて更に早く確実なサイクルとしています。
それが高速PDCAですが、大きく8ステップに分かれています。
①大きな目標を立てる
P64引用
②小さな目標を立てる
③目標達成に有効な方法をリストアップ する
④期間を決めて、全ての方法を同時に試していく
⑤毎日、目標と結果の違いを検証する
⑥検証をもとに毎日改善する
⑦一番優れた方法を明らかにする
⑧一番優れた方法を磨き上げる
序章では具体例として、新人営業マンがノルマを達成するために高速PDCAを使ったらどうなるのか示されています。
各章では高速PDCAを実践する5つのコツに分けて、わかりやすく誰もが今すぐ真似できるようなノウハウとして落とし込みされています。
まとめ
大きな仕事を成し遂げるためには、多くの人の力を借りる必要があります。
孫社長自身も「自分一人の力は限られており、様々な意見を取り入れて実行して成果につながれば良い」という思考であることは意外でした。
リスクを取りつつ、小さな成功を積み重ねてより高い目標を実現できる「高速PDCA」は誰にでも実践できるように思えます。
しかし、その根底には結果を出したいという熱意が大切だと思いました。