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【書評】amazon 世界最先端の戦略がわかる 成毛眞/著 

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【書評】amazon 世界最先端の戦略がわかる 成毛眞/著 

こんな方におすすめ

  • 商品開発や製品開発に所属している
  • 経営企画に関わっている
  • ビジネスマン全般

動機

私自身アマゾンプライム会員で、アマゾンのサービスを利用しています。

次々と新しいサービスを展開しているアマゾンという企業に興味があり、本書を手に取りました。

対象

商品開発や製品開発に所属されている方は、アマゾンの事業を理解することで新しい製品の企画に役立つかも知れません。

経営企画に所属されている方も、新しい事業を始めるにあたりアマゾンの経営手法が参考になると思います。

ビジネスマン共通として、アマゾン一社を知ることでビジネス感覚を身につけることができると思います。

概要

アマゾンは何で収益を上げているか公開をしません。

秘密主義であり、自社の新製品の詳細なリリースは出しません。

またアマゾンの各事業は独立していますが、普通の複合企業よりはるかに相乗効果が高く、驚異的スピードで成長しているところが特異な点です。

アマゾンの大きな特徴は、新しい事業を立ち上げるときに、赤字覚悟で投資をいとわないことだ。

本書引用P33

投資を続けることで、ロジスティック企業として顧客利益のための最強の物流網を構築しています。

アマゾンの時価総額は2018年時点で77兆円あります。

これは競合の楽天1.1兆や物流のヤマト1.2兆と比べると規模が全く違います。

そしてGAFA+MでドイツのGDPを凌いでいます。これらの5社がアメリカ経済をけん引しています。

本業をする上で生まれた技術やサービスで横展開できそうなものがあったら、それをそだてる。あるいは近接する領域の事業があったらそれに乗り出す。

本書引用P51

amazonGo、amazonプライム、amazonエコーなど、本業で生まれた技術やサービスを横展開し育てています。

1章ではアマゾンの「品揃えが大量で安い」を実現する仕組みについて説明されています。

品揃えが大量で安い。シンプルだが、それこそがアマゾンが強い理由である。

本書引用P61

圧倒的な取り扱い点数はマーケットプレイス(出品サービス)のおかげです。

支払い情報が全てアマゾンに集まるので、顧客情報が全てわかります。

マーケットプレイスを利用したくなるのは、FBA(フィルメントバイアマゾン)のおかげです。

FBAを利用すると、どんな企業でもアマゾンのインフラを利用することができます。

商品の保管から注文処理、出荷、決済、配送、返品対応を全てアマゾンが代行してくれます。

アマゾンは物流網を全世界で展開しているので、出品者は海外展開の足がかりになります。

この越境ECサービスは高度なIT技術があるから可能です。 

さらに、マルチチャネルを構築しています。例えば楽天で売る商品もアマゾンから出荷できます。

これによって在庫管理の煩わしさがなくなります。

アマゾンは物流以外にも映画、音楽、ストレージサービスなどの次元の違う娯楽力を提供しています。

出品者にとって便利すぎるサービスによって、アマゾンが生活に占める割合は大きくなり、会員はどっぷりつかることになります。

2章では「キャッシュがあるから失敗できる」として、アマゾンのキャッシュフロー経営について説明されています。

ベゾスが重視し、アマゾンの成長を支えるのがキャッシュフロー経営だ

本書引用P120

アマゾンは信じられないほどのキャッシュを保有しており、ここ数年は4500億から1兆円規模の超大型設備投資を毎年続けています。

こうした巨額投資が可能なのは、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)がマイナスであることが挙げられます。

CCCがマイナスということは、物が売れる前にお金があることを示しています。

アマゾンは商品が発売される30日前にすでにお金が手元にある。

本書引用P131

この秘密はマーケットプレイスと考えられます。

売上金がアマゾンに入金され、日を置いて出品業者に返金されます。

本書の計算では預かり金で19億ドルあります。このお金は無利子で自由に運用が可能です。

 アマゾンの最安値仕入のカラクリについて述べられています。

アマゾンはネット通販だから、地域に縛られることも、店頭での販促協力も関係ない。

本書引用P137

アマゾンは複数の卸業者から安い順に買っていきます。

ネット販売なので地域性も全く関係なく、個別取引を全自動で行います。

これによって最安値仕入れが可能になっています。

 

3章ではアマゾンで一番利益を上げるAWS(アマゾンウェブサービス)について説明がされています。 

アマゾンはAWSというクラウドサービスを展開しています。

AWSでもアマゾン得意のスケールメリットを出して顧客に還元をしています。

AWSの顧客にCIA(米中央情報局)があります。

旧来はIBMが独占してきましたが、技術的にも圧倒的にAWSが優れていました。

CIAのお墨付きを得ることとなり、現在では多くの公的機関や企業が導入しています。

ネット通販事業全体では赤字だが、AWSが会社全体の利益を出しています。 

世界のデータのクラウド移行率は5%程度に留まっており、まだ成長の余地がある市場です。

2位マイクロソフトアジュールの売上24億ドルに対し、AWSは122億ドルあります。

AWSは独自にサーバー、ルーター、半導体を設計しています。

また、巨大なデータセンターを次々と建設し、自前の海底ケーブルを持つなど、AWSの信頼性を高めています。

 

8章ではアマゾンを底ざさえするテクノロジーについて説明がされています。

Amazon Goはカメラと音声認識による無人コンビニです。

商品管理をするRFIDタグは2025年には1円程度になると予測されています。

しかし全ての商品につけるとコンビニ業界全体で年500億かかることになります。

カメラ単価は8メガピクセルで数百円程度で済むので、無人コンビニの設備投資を大幅に抑えることができます。

コンビニの万引きによる損耗率は1.5%程度と言われています。

Amazon Goはアマゾンプライム会員によるカード決済であり、AIが顧客の店内行動を把握します。

よって万引きが無くなる可能性が高いです。

仮に万引きができても一生アマゾンを使えなくなり割に合わないと考えられます。

他にもテクノロジーを活用して様々なサービスを展開しています。

例えばアマゾンフレックスは物流のシェアリングエコノミーで、個人による配達を可能としています。 

アマゾンエコーは家電業界を変えてシェアを取ろうとしています。アレクサで市場を開放し、対応機種を増やすことで新たな価値を生んでいます。

アップルやGoogleが音声認識技術に力を入れるのも、これが家庭内における「ポストスマホ」になりうる可能性が高いからである。

本書引用P327

音声認識技術の活用は、家電メーカーにとって最重要課題になっています。

また、ドローン配達やAI投資にも力を入れています。

AI投資はマイクロソフトやアップルの2倍以上の金額を投じています。そして自動運転にも注目しています。 

 

9章ではアマゾンという組織と、プログラマー出身のベゾスの経営手法について触れられています。

ベゾスにとって、コミュニケーションを必要とする組織は、きちんと機能していない証拠でしかないというのだ

本書引用P356

アマゾンでは協調を必要とせず、個のアイデアを優先する組織を目指しています。

そして権力が分散され、組織にまとまりがない姿を目指している。 

アマゾンではベータ版を作りテストを繰り返し、失敗を繰り返してヒットを作ります。

ここにもプログラマー出身のトップらしいところが出ています。

アマゾンはKPI(Key Performance Indicator)至上主義で、目標達成度を細かく分析しています。

目標管理は0.01%までこだわり、毎週確認しています。

それは人事考査にも影響し、なぜ目標を達成でき、できないか日々改善する手法が取られています。 

まとめ

アマゾンは新しいサービスを提供し続けており、様々な業種の常識を塗り替えています。

また、アマゾンが築いた物流ネットワークはリアルとネットの境目をなくしています。

それは国境すら曖昧にしており、アマゾンは一つの国家を築いているとも言えます。

アマゾン一社に着目するだけでも、今後のビジネス戦略を立てる上では非常に重要であると感じました。

 

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Yuko

自己投資、読書、資産形成、旅行で 豊かなワークライフスタイルを目指す 中流サラリーマン /建設業 /MEP Engineer /maneger /経営学修士MBA /大阪在住

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