おすすめの読者
本書はサラリーマンでありながらも社外で活躍されている著者の行動指針が示されています。
臨場感があり具体的に語られており、著者の熱狂が伝わってきます。
会社に属しており、働くことの意義について悩みがある方、日々仕事に取り組んでいるが熱い思いがないといった方は、
著者の考え方を取り入れると人生観が変わると思います。
本の概要
予定調和を破壊せよ
新しいものを生み出したいならば、予定調和や合理性というものからあえて離れてみましょう。
もっと言えば、自らトラブルに身を投げることです。
カオスの中にこそ、まだ見ぬ景色があるものです。
現代は変化が早く、今までのルールや枠組みがすぐに時代遅れになります。
目の前のことを本能と直感で受け入れることが必要です。
上司に許可を求めながら歴史に名を残した人はいません。
3歳児のように本能を丸出しにして、好奇心をむき出しで動くことが新しいものを生むヒントになります。
自分の手で金を稼げ
世の中の最前線で起きている動きに五感を研ぎ澄ますことです。
情報を浴び、知を獲得していきます。
そして実際に手を動かすことに価値があります。
これからの世の中がどこに向かうのか知っていることも極めて重要です。
誰も行かない未開を切り拓けば、その人は開拓者として歴史に名を刻むことになります。
自分が自由になりたければ、金と感情を抑えて会社と関係性を作るのが理想的な姿です。
社内で戦うのは間違いです。戦うべき相手は会社の外にあります。
変化が早い時代は多様性が力になる。
副業をして、外の世界に飛び出すことが大事です。
会社員のメリットは、インフラと人とお金、会社が築いた信頼を利用できる。
個人では無し得ないスケールで動くことができます。
また、会社の顔色ばかり窺っている人間になど、誰も心を開きません。
会社に相談しなければならない難題も涼しい顔で即決しましょう。
ただし、死に物狂いで辻褄を合わせていきます。
名前を売れ
ヒーローインタビューを想定して仕事をすれば、生半可なことはできません。
一つ一つの行動が変わります。
また、これからは物を選ぶ基準は「物語」になります。
Twitterもオリジナリティがなければ誰もフォローしようと思いません。
共感が生まれればフォロワーは増えていき、ビジネスにおいても熱烈な支持者になります。
成功する企業には、感情で動くアーティストと数字で動くサイエンティストがいます。
高度経済成長期は(達成、快楽)の欲望が幸福につながったが、今の時代は(没頭、良好な人間関係、意味合い)に幸福を感じます。
金ではなく、意味合いに共感してもらい、同じ価値観を持った人と没頭してもらうしかないのです。
手を動かせ
普遍的なものを学ぶのに下積みは不要です。
変化の早い時代では上の世代の成功体験は役に立ちません。
それどころか、視界を濁らせる不純物になりかねません。
自分の手で動かし、物を作って人々のリアルな反応を見て一喜一憂しながら成長していくのが一番手っ取り早いです。
昨日までできなかったことをやりましょう。
それを繰り返した先にプロフェッショナルがあります。
ただし、手を動かす時はスピード重視です。
極限までに時間がない状況は、人の集中力を飛躍的に上げます。
制約がイノベーションを生みます。
また圧倒的な量をこなすと、自然と要点をつかみ能力が上がっていきます。
平均的な人の量とは段違いの差がつきます。
不可能な量の負荷を自分にかけると、苦境を乗り越えようという防衛本能が芽生えて進化します。
とりあえずなんでもやってみましょう。
自然消滅しても気に留めず、すぐに次を、前を見ていきます。
あれこれ手を出しているうちに好奇心が好奇心を呼び、熱狂が熱狂を加速させていくものです。
癒着せよ
相手の生身の感情を引き出すには、相手の警戒を解くために自分が丸裸になることも大事です。
相手が何を求めているのか、どんな本性なのか相手自身が気づいていないところまで想像します。
それを理解し言語化することができれば、なんの実績がなくても信頼を勝ち取ることができます。
媚びを千回売っても信頼は生まれません。
衝突、揉め事上等で目的地だけをにらんで走り抜けましょう。
熱狂せよ
生き方や人生に正解はありません。
そして「努力」は「夢中」には勝てません。
労働の時間は減り、お金の価値が下がり、やりがいや生きがいの価値が上がる時代です。
挑戦することが楽しい時代です。
考察 熱狂とは何か(モチベーションの類型)
「熱狂」を国語辞典で調べると「非常に興奮し熱中すること」と出てきます。
似たような言葉に「モチベーション」があります。
モチベーションとは「個人の内部あるいは外部から派生した特定の行動の強度、方向、持続性を規定する活動力」という定義があります。
強度とは「動機の強さ」を示します。気持ちの強さや感情のエネルギーのようなものです。
方向とは「集中力」のことです。あらゆることからただ一つだけ意識と努力を集中していくことがモチベーションにつながります。
持続性とは「持久力」を指し、最も重要な要素です。
どれだけ強い感情で集中力があったとしても持続的なモチベーションがないとすぐに熱が覚めてしまいます。
モチベーション3.0(ダニエル・ピンク著)では、モチベーションを3つの動機づけに分類しています。
最も持続性が高いのは「内発的動機づけ」という分類です。
例えば、「楽しいから頑張る」「面白いから続ける」といった自分自身からの「やる気」が起因しているモチベーションです。
報酬や罰則などの外部的な要因から来るモチベーションではありません。
熱狂とは内発的動機づけの一種であり、没頭したり続けられるからこそ自分自身の成長につながるのだと思います。
まとめ
各目次には著者の熱い思いや考えが端的にまとめられています。
著者は「行動する人にとっては、今ほどチャンスの時代はない」と語っています。
リスクを厭わず無謀な勝負に打って出る、偏愛に任せて没入する、打算やロジックから逸脱する。
このような型破りな人間に、人々は熱狂して情報もお金も集まるのかもしれません。
熱狂するものがなくとも、新しいものに触れると案外ハマったりするものです。
そうした小さな好奇心から共感を生み、ビジネスにつながっていきます。
「熱狂」と「共感」がこれからのサラリーマンの働き方のヒントになると思いました。