日本の組織のあり方が多様性の時代に追いついていないと言われています。
「自分の職場は職場の同僚の関係が良い」と評価した割合は、日本が37か国中最下位だそうです。
一方、サイボウズではマネジャーを希少価値が高い重要なものではなく、大衆化することを目指しました。
その内容について、サイボウズ取締役である著者が記しています。
マネジメント層の方にぜひ読んでいただきたい本です。ぜひご覧ください!
本の概要
サイボウズが捨てたマネジメントに関する6つの理想
ポイント
- マネジャーは地位ではなく役割である。無理に自分を大きく見せる必要はない。
- 必要なのはスキルではなく情報を公開する覚悟。
- 自分が神にならなくても良い。誰がなんのプロなのか知っておくだけで良い。
- 組織図はピラミッド型からキャンプファイアー型に
- 100%の忠誠心は求めない。100人100通りの距離感を受け入れる
- ホワイト企業より透明な企業
サイボウズがうまくいかなかったときのこと
大企業の組織のあり方、慣習の悪事例として例えば以下の内容が挙げられます。
ポイント
- 部外秘など隠さないといけないことが多い、
- 承認プロセスが長い
- 規律やマナー
- キャリアや働く場所を自分で決めることができない
- 年功序列、経年理念やビジョンがよくわからない
業績が上がっているうちは、成果至上主義は問題の隠れ蓑になります。
業績が全てを正当化してくれます。
一方、業績が悪くなると、生まれた歪みや鬱憤がまるで逆噴射するように顕在化します。
そこで成果主義を諦めて100人100通りの働き方を目指します。
最軽量のマネジメントは「情報の徹底公開」たったひとつ
上に立つものが持っているのは地位でも権威でもなく「責任」です。
マネジャーがしなくても良いと思うのは、間違い探しです。
多くの組織では性悪説によるマネジメントがなされています。
そこで、公明正大であることを重要視してマネジメントに活かすことが重要です。
プロジェクトマネジメントとして、目標値は上からの指示も同時に公開します。
そして、情報にアクセスできるようにしておけば良いです。
メンバーに全てを伝える必要はありません。
情報にアクセスできる状態にしておけば、それを取りにいくかどうかはその人次第です。
情報を伝えて覚えるのではなく、探して使えるものにします。
情報を公開していくと、不必要な忖度が会社からなくなります。
メンバーにマネジャーへの理解が生まれ、メンバー一人一人に主体性が生まれます。
考察 重量級プロダクトマネジャーとは
重量級プロダクトマネジャーという言葉をご存知でしょうか?
キム・B・クラーク、藤本隆宏らが自動車の製品開発組織に関する研究を通じて提唱した概念です。
製品コンセプトの創出から開発、生産、販売に至る製品開発プロセスを通じて、重い責任と強い決定権を託されたマネジャーを意味しています。
重量級プロジェクトマネジャーは、営業・設計・開発・製造等の機能別組織の部門長と同等以上の権限を与えられます。
一方、そのような組織的な影響力が弱く、製品コンセプトに関する責任もなく、プロジェクト全体の調整が主な任務であるようなプロダクト・マネジャーは「軽量級」と呼ばれています。
本書での最軽量のマネジメントを行うマネジャーはここでいう軽量級とは違います。
最軽量のマネジメントとは「軽やか」を意味しています。
個人対個人で軽やかにお互いの理解を深めることの重要性を説いています。
重量級プロダクトマネジャーも多岐にわたる調整能力が必要なことから、「軽やかさ」は必要な資質かもしれません。
まとめ
ミレニアル世代が会社に求めているものは何か?
それは自己実現を果たし、自分の幸せはもちろん周りの幸せも叶えたい。社会的な影響力を発揮したいという欲求です。
彼らが会社に求めるのは未来の可能性を求めています。
100人100通りの個性がある中で、部下を下に見ずに敬う姿勢が大事です。
そして、様々な価値観に触れて常に新しい常識をアップデートする必要性を感じました。